今を去ること53年ほど前、昭和29年11月4日に行われた音楽堂落成記念式典では、当時の内山知事の挨拶、そして高松宮さまや大達文部大臣など、お歴々の方々からたくさんの祝辞を賜ったと音楽堂略史にはあります。そのなかで印象的なのが当時の横浜市長平沼亮三氏のスピーチだったようです。
平沼氏は声が小さく、かつしわがれ声であることは周知のことでしたが、当日のスピーチはそのような声であったにもかかわらず、この音楽堂のすばらしい音響設計のおかげですみずみまで響き渡ったと音楽評論家野村光一氏による朝日新聞のコラムにあり、また、神奈川新聞の県内10大ニュース(昭和29年12月31日)の中でも「平沼市長のあの声がきこえたというので一つの話題をうむ」とあります。実際はどのような祝辞だったのでしょう。
今はあまり使わない形容詞ですが、まさに東洋一の音楽ホールとして君臨していた音楽堂。近年、たくさんのすばらしい音楽ホールが建設されていますが、今日も音楽堂の美しい響きは健在です。これからもたくさんのプログラムをご用意しています。ぜひこの響きをお楽しみに足をお運びください。(ぺ)