ナタリー・シュトゥッツマン

インゲル・ゼーデルグレン

音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ12

ナタリー・シュトゥッツマン コントラルト・リサイタル
(ピアノ:インゲル・ゼーデルグレン)
Nathalie Stutzmann Contralto Recital
piano; Inger Södergren

  • 日時 2014/11/22(土)15:00 開演(14:30 開場)
  • 会場 ホール
  • KAme
    先行
    2014/6/20(金)
  • 一般発売 2014/6/27(金)
  • お問い
    合わせ
    神奈川県立音楽堂業務課 045-263-2567(9:00~17:00 月曜休館)

深みのあるドラマティックな歌声。木のホールは至福の喜びに満たされる―

  開館以来、幾多の名演奏家たちをそのステージに迎えてきた神奈川県立音楽堂が、今年60周年を迎えた。そのメモリアル・イヤーに相応しく、類稀なアーティストがまたひとり、音楽堂でその芸術的境地の真を問う。ナタリー・シュトゥッツマンだ。2007年からスタートした「音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ」のひとつであり、まさに名花登場。いや、名花、歌姫などという形容など、シュトゥッツマンに対しては陳腐に思えるほどその存在感は圧倒的である。
 それはペルゴレージなどの宗教音楽からベートーヴェン、シューベルトなどの歌曲、ワーグナー、マーラー、ショスタコーヴィチなどに至るまで、恐るべき高度な完成度をもって悠揚胸に迫ってくる。とりわけフランス歌曲に対する彼女の取り組みは格別で、今回プログラムに用意されているのはショーソン、グノー、ドビュッシー、フォーレ、そしてプーランクの傑作たち。彼女はその歌曲に対し、真摯なアプローチと重厚な説得力を携え、フランス的エスプリや香気が漂う瀟洒な音楽を織り上げるに違いない。 さらにソリストとしても高い評価を受けるピアノのゼーデルグレンとはパートナーを組んでちょうど20年。2人のアンサンブルは、柔らかな木の温もりに包まれた音楽堂を、溌剌たる生気やみずみずしい息吹、心を浮き立たせる躍動やデリケートにして濃密な抒情で鮮やかに満たすだろう。そしてその感動は、新たな音楽堂の歴史として永遠に語り継がれるのだ。

真嶋雄大(音楽評論)

 


 

横浜公演を前にナタリー・シュトゥッツマンさんに質問をお送りしたところ、お返事とメッセージを頂きました。

 

Q 今回の「フランス歌曲プログラム」にはとても魅力的な作品が並んでいますが、これらを選曲した意図を教えて下さい。

A 如何に聴衆の皆様にフランス歌曲の持つ色彩の豊富さ、精神性、情景、そして、センチメンタリズムを楽しんでいただけるかを念頭に、数々の私の大好きな歌曲の中から選りすぐりました。

 

Q 聴きどころはどういったところでしょうか?

A フランス文化と日本文化とがとても近い関係にあるのだということを感じていただけるところですね。

フランス歌曲の持つ洗練さが、日本文化がこよなく愛する上品さ洗練さと相通じることを、聴衆の皆様には感じ取っていただけると思います。私にとって今回のプログラムは、美しい折り紙が入った箱をゆっくりと開け、一つ一つの折り紙を手に取り、その色、手触りを愛でることと同じように感じているのです。

 

Q 公演を楽しみにしている日本のお客さまにメッセージをお願いします。

A 聴衆の皆様には、フランス歌曲の持つ音楽の美しさ、そして詩の美しさを演奏する私たちと一緒に楽しんでいただきたいと思います。そして、フランス歌曲の持つ詩的情景に聴衆の皆様一人ひとりが共感共鳴をしてくださることと信じております。

会場でお目にかかれることを、楽しみにしております。

ナタリー・シュトゥッツマン

 

 

シュトゥッツマンさん、ありがとうございました。

11月22日のリサイタルでお目にかかれることを、私たちもとても楽しみにしています! 音楽堂


 

ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト) インゲル・ゼーデルグレン(ピアノ) Nathalie Stutzmann, contralto Inger Södergren, piano<フランス歌曲プログラム> French melodies by Chausson, Gounod, Debussy, Fauré and Poulenc ◇エルネスト・ショーソン Chausson 1855-1899 ナニー(七つの歌曲op.2より) Nanny 蝶々(七つの歌曲op.2より) Les Papillons 歳月(カミーユ・モークレールの詩による三つの歌曲op.27より) Les Heures リラの花咲くころ(『愛と海の詩』op.19より) Le temps des lilas イタリアのセレナーデ(七つの歌曲op.2より) Sérénade Italienne ◇シャルル・グノー Gounod 1818-1893 愛しあおう Aimons nous その花をぼくにくれないか Donne-moi cette fleur たそがれ Crépuscule 谷間 Le vallon ◇クロード・ドビュッシー Debussy 1862-1918 麦の花 Fleurs des blés 鐘(二つのロマンスより) Les cloches 海はもっと美しい(ヴェルレーヌの詩による三つの歌曲より) La mer est plus belle ~休憩 Interval ~ ◇ガブリエル・フォーレ Fauré 1845-1924 月の光 op.46-2 Clair de Lune マンドリン(五つの歌曲『ヴェネツィア』op.58より) Mandoline 愛の夢op5-2 Rêve d'amour 蝶と花op.1-1 Le papillon et la fleur ネルop.18-1 Nell 夢のあとでop.7-1 Après un rêve ◇フランシス・プーランク Poulenc 1899-1963 歌曲集「月並み」  Banalités 1. オルケニーゼの歌 Chanson d'Orkenise  2. ホテルHôtel 3. ワロニーの小さな沼地 Fagnes de Wallonie  4. パリへの旅 Voyage à Paris  5. すすり泣き Sanglots  浮気娘の歌 (「村人の歌」より) Chanson de la Fille frivole モンパルナス Montparnasse C(セー)(「セーの橋」)  C 華やかな宴  Fêtes Galantes *曲目はやむを得ず変更になる場合があります。予めご了承ください。 French melodies by Chausson, Gounod, Debussy, Fauré and Poulenc Nathalie Stutzmann, contralto Inger Södergren, piano Ticket ¥5,000 student ¥3,000 Ticket Kanagawa ☎0570-015-415 ■ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト) コントラルト歌手のナタリー・シュトゥッツマンは、世界的な一流歌手の1人であり、当代きっての注目の音楽家である。独唱者としてサイモン・ラトル、小澤征爾、マリス・ヤンソンス、クリストフ・エッシェンバッハ、マルク・ミンコフスキなどの指揮者、ベルリン・フィル、ウィーン交響楽団、ボストン響、パリ管、ロンドン響、スペイン国立響などいずれも世界の主要オーケストラと共演している。 リサイタルも世界各地で開催。スウェーデン出身の優れたピアニスト、インゲル・セーデルグレンと共演。2人のコラボレーションは比類ない豊かな魅力にあふれたものであり、CDは数々の受賞に輝き、最高の賛辞を得ている。音楽界にデビュー直後から始まっていたシュトゥッツマンのレコーディング数は多く、今やCDは75枚を超える。1991年にRCAでの初CD以来、RCAを中心にフィリップス、EMI、ドイツグラモフォン、カリオペなどからリリースしている。 近年では、アムステルダム、ロンドン、ミラノ、ワシントン、マドリッドなどで演奏会を行い、特にヘンデル《ジュリアス=シーザー》のコーネリア役は注目された。ウィリアム・クリスティ指揮レザール・フロリサンとはチェチリア・バルトリと共演、クレオパトラを演じた(パリ、プレイエル座公演)。その後ペーター・シュライアー指揮で、バッハ《マタイ受難曲》を歌った。 マーラー没後100年記念の2011年には、サイモン・ラトルに招かれ、ベルリン、ロンドン、アムステルダムで交響曲第3番を(2011年2月)、9月にはベルリンで第8番を共演することになっている。さらに、マリス・ヤンソンスとは、ミュンヘンで、バイエルン放送響の記念演奏会で第3番を歌う。 シュトゥッツマンは「完璧な音楽家」を具現している。幼いころからピアノ、バスーン、室内楽全般、指揮を学び、先頃、歌手としての活動に加え、指揮を自らの演奏活動の主要なものにしていこうと決断。彼女の新たなる挑戦を支え、交響曲レパートリーの指導にあたっているのは2人の良き指導者である。サロネン、サラステ、ラトルを育てたフィンランドの伝説的指導者フィオナ・パヌラ教授と、親しい友人の小澤征爾である。 2009年には、自ら、オルフェオ55(Orfeo55)という室内オーケストラを創設。バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなどを歌いながら指揮することで、自由でかつ作品の魂の深さと完成度の高い音楽を表現することに成功、大絶賛を博している。さらに、その模様はドイツグラモフォンによってリリースされている。 ■インゲル・ゼーデルグレン(ピアノ) スウェーデン生まれのインゲル・ゼーデルグレンは、ピアノの勉強を続けるためストックホルム王立音楽院から奨学金を得て、フランスのナディア・ブーランジェとイヴォンヌ・レフェブルのもとで更なる研鑽を積む。その後、国際舞台へと活躍の場を広げ、桁外れの天分と個性がきわだつ演奏家としての地位を確立している。 ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどの偉大な作曲家の作品の解釈にするどい直感力と深い洞察力を持つ。録音は、カリオペ・レーベル専属でリリースされていて、高い評価を受け、“ディアパゾン金賞”やシャルル・クロス誌の大賞を獲得している。 ゼーデルグレンの天賦の才能は、聴く人がじゅうぶんに熟知していると思っている作品から隠れた宝物を探しだすことにある。彼女の演奏を繰り返し聴いていただきたい。めったに起きることのない高揚を呼び起こしてくれるのだ。音楽に献身あるのみ、ファッションや流行などにはまったく無頓着だ。悲哀への愛着を隠さないし、自らの直感に導かれることをよしとしている。聴衆は、力づくではなく、望めば、自ずと彼女の後をついていくことができる。貴重で尊敬に値する音楽への姿勢である。 パリではシャンゼリゼ劇場のピアノシリーズ“エトワール”やガヴォーホールの“グラン・コンサート”シリーズほか各地の一流コンサートホールやシリーズで演奏している。シャトレ座の音楽祭”Le Roque d’Antheron“、フランス放送やモンペリエでの音楽祭、アムステルダムのコンセルトヘボウでのリサイタル、リスボン、東京文化会館など世界の舞台で活躍している。 CDはカリオペ・レーベルから、ベートーヴェンのソナタ《ワルトシュタイン》《告別》、モーツァルトのソナタ集をリリースしている。 1994年より、コントラルト歌手のナタリー・シュトゥッツマンのパートナーであり、シュトゥッツマンとの共演でシューマンの歌曲集(RCAレッドシール)をリリースしている。このCDは日本のレコードアカデミー賞を受賞。ブラームス、ショーソン、プーランクも録音。さらにシュトゥッツマンとはシューベルトの「冬の旅」と「白鳥の歌」をカリオペからリリース。そしてシューベルト第三弾「美しい水車小屋の娘」を同レーベルで録音したところである。

チケット

当日券
当日券は14時から、一般5,000円、 学生券(若干枚 3,000円)を販売します。
チケット発売日

KAme先行(かながわメンバーズWEB先行販売): 2014/6/20(金)

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一般:2014/6/27(金)

チケット料金
全席指定 一般5,000円  シルバー(65歳以上)4,500円  学生(24歳以下)3,000円 *シルバー、学生券は、チケットかながわのみで取り扱います。枚数に限りがあります。 *未就学児童の入場はお断りいたします。 (一般券は、チケットぴあ http://pia.jp/ 、イープラス http://eplus.jp/ でも取り扱います。) ※シルバー券は売り切れました。
主催 神奈川県立音楽堂